
60代こそキャリアコンサルタントに最適な理由
「定年後も自分の経験を活かして誰かの役に立ちたい」「若い世代のキャリア形成を支援したい」——そんな思いを抱く60代の皆様に最適な資格が「キャリアコンサルタント」です。
キャリアコンサルタントは、2016年に国家資格化された比較的新しい資格ですが、転職や働き方の多様化に伴い、そのニーズは急速に拡大しています。特に60代の豊富な人生経験は、悩める求職者にとって何よりも心強い支えとなります。
本記事では、60代からキャリアコンサルタントを目指す方に向けて、資格取得から実際の活躍まで、具体的な道筋をお伝えします。
60代でも無理なく取得できる資格取得方法
1.キャリアコンサルタント国家資格とは
雇用状況の変化
キャリアコンサルタントは、個人のキャリア形成を支援する専門家として、厚生労働大臣が認定する国家資格です。転職相談、キャリアプランニング、職業選択などの支援を行います。
資格の特徴
・年齢制限なし(60代・70代の合格者も多数)
・更新制(5年ごとの更新が必要)
・活躍の場が多様(企業内、人材紹介、独立等)
2.受験資格の取得方法
キャリアコンサルタント試験を受験するには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
1. 養成講習の受講(最も一般的)
厚生労働大臣が認定する養成講習(約150時間)を修了することで受験資格を得られます。
主な養成機関
・日本マンパワー:約3-4ヶ月
・リカレント:約3-6ヶ月
・LEC東京リーガルマインド:約4ヶ月
受講費用
・30万円~50万円程度(教材費・受験料別)
・教育訓練給付金の対象(最大10万円還付)
2. 実務経験3年以上
キャリアコンサルティング業務の実務経験が3年以上ある場合は、講習なしで受験可能です。人事・採用経験がある方は、この要件を満たしている可能性があります。
3.試験内容と合格率
学科試験
・四肢択一式(50問、100分)
・キャリア理論、労働法規、メンタルヘルス等
・合格基準:70点以上/100点
実技試験
・論述試験:事例に対する対応記述
・面接試験:ロールプレイング形式(20分)
・合格基準:各60%以上
合格率
・学科試験:約50-60%
・実技試験:約60-70%
・同時合格率:約30-40%
60代受験者の強み
豊富な人生経験により、実技試験(特に面接ロールプレイ)で高評価を得やすい傾向があります。
4.学習期間と勉強法
標準的な学習スケジュール
・養成講習:3-6ヶ月(週1-2回通学またはオンライン)
・独学期間:1-2ヶ月(過去問演習・実技練習)
合計:4-8ヶ月程度
効果的な学習方法
・養成講習での仲間づくり(情報共有・練習相手)
・過去問の徹底演習(学科対策)
・ロールプレイの反復練習(実技対策)
・キャリア理論の実務への落とし込み

60代キャリアコンサルタントの現場(活躍事例)
事例1:人材紹介会社勤務(Aさん・62歳)
経歴:35年間の営業経験を活かし、60歳でキャリアコンサルタント資格を取得。現在は大手人材紹介会社でキャリアアドバイザーとして活躍。
業務内容:
・40-50代の転職相談(月20-30件)
・キャリアプランの策定支援
・履歴書・職務経歴書の添削
・面接対策・フォローアップ
やりがい:「同世代の転職者から『人生の先輩として心強い』と言われることが最大の喜び」
収入:年収550万円(基本給+成果報酬)
事例2:企業内キャリアコンサルタント(Bさん・65歳)
経歴:大手メーカーで40年間勤務後、63歳でキャリアコンサルタント資格取得。現在は中堅IT企業の人事部で契約社員として勤務。
業務内容:
・社員のキャリア面談(月15-20件)
・新入社員のキャリア研修講師
・管理職向けキャリア支援研修
やりがい:「若手社員の成長を間近で見守れることと、自分の経験が組織に貢献できること」
収入:年収400万円(週4日勤務)
事例3:独立開業(Cさん・67歳)
経歴:人事部長として30年勤務後、60歳で定年退職。62歳でキャリアコンサルタント資格取得し、65歳で独立開業。
業務内容:
・個人向けキャリアカウンセリング
・中小企業向けキャリア研修
・大学でのキャリア教育講師
・執筆活動(キャリア関連書籍)
やりがい:「自分のペースで働きながら、多様なクライアントと関われる自由さ」
収入:年収600-800万円(変動あり)

働き方別の収入目安
パターン1:人材紹介会社勤務
正社員・契約社員:
・基本給:20-30万円/月
・成果報酬:転職成功1件につき10-30万円
・年収目安:400-800万円
業務委託:
・固定報酬:10-15万円/月
・成果報酬:転職成功1件につき15-40万円
・年収目安:300-700万円
パターン2:企業内キャリアコンサルタント
契約社員(フルタイム):
・月給:25-35万円
・年収目安:300-420万円
嘱託社員(週3-4日):
・月給:15-25万円
・年収目安:180-300万円
パターン3:独立・フリーランス
個人カウンセリング:
・1時間:5,000-15,000円
・月10-20件で月収5-30万円
企業研修講師:
・1日:5-15万円
・月2-4回で月収10-60万円
年収目安:300-1,000万円以上(実績により大きく変動)
始め方の手順:5つのステップ
ステップ1:情報収集(1-2ヶ月)
やるべきこと
・キャリアコンサルタントの仕事内容を詳しく調べる
・養成講習の資料請求・説明会参加
・現役キャリアコンサルタントの話を聞く
・自分の適性を見極める
ステップ2:養成講習の受講(3-6ヶ月)
選択のポイント
・通学かオンラインか(ライフスタイルに合わせる)
・受講費用と教育訓練給付金の確認
・講習機関の合格実績
・通いやすさ・学習サポート体制
学習方法
・自治体の無料講座活用
・オンライン学習サービス(Udemy等)
・若い世代に教えてもらう謙虚さ
学習時間の確保:週10-15時間程度の学習時間を確保できるスケジュールを組みましょう。
ステップ3:試験対策(1-2ヶ月)
学科試験対策
・過去問を3年分以上解く
・苦手分野の重点学習
・模擬試験の受験
実技試験対策
・ロールプレイの反復練習
・面談技法の習得
・論述試験の答案練習
ステップ4:資格取得と登録
試験合格後の手続き
・合格証明書の取得
・キャリアコンサルタント名簿への登録
・登録証の受領
費用:登録手数料:約8,000円
ステップ5:実務スタート
就職活動
・人材紹介会社への応募
・企業内キャリアコンサルタント求人の探索
・ハローワークのキャリアコンサルタント募集
独立開業の場合
・事業計画の策定
・ホームページ・SNSでの情報発信
・人脈を活用した顧客開拓
・業界団体への加入

まとめ
60代から始める新たな社会貢献
60代からキャリアコンサルタントとして活躍することは、決して夢物語ではありません。むしろ、豊富な人生経験を持つ60代こそが、この仕事に最適な世代だと言えます。
キャリアコンサルタントの魅力
・年齢に関係なく活躍できる
・人の人生に深く関われるやりがい
・柔軟な働き方が選択できる
・生涯学び続けられる仕事
今すぐ始められるアクション
1.養成講習の資料請求(3-5社)
2.キャリアコンサルタント関連書籍を1冊読む
3.説明会・体験セミナーへの参加予約
4.自分のキャリアの棚卸し
人生100年時代において、60代は新たな挑戦を始めるのに最適なタイミングです。あなたの経験と知恵を必要としている人が、きっと待っています。





